めぶく。アートコンテスト 審査員総評まとめ
各審査員からの展示会出展者様全体に向けてのコメントをまとめました。
審査員方がどのような気持ちで、またどのような観点で審査をしたのかをこちらにまとめています。
(それぞれの作家さん宛のコメントは各作家さんへプリントしてお渡しいたします。)
是非今後の創作活動のお役立てください。
※順不同
ほしくず堂 レイくん絵本作家×職人=アーティスト。
自らで紡ぎ出した物語「星くずの魔法使い」を舞台に、全国を旅して活動中。
物語に登場した「魔法具」を現実世界に実在する魔法具アイテムとして作り出すフリーランスの作家さん。
前・商店街店舗の頃より、常設展示や前橋七夕祭りなどでも露天出展で活躍。
魔法具アイテムはどれもこだわりぬいて作られた一流品。
Twitter @raywell @hosikuzudo
HP http://hosikuzudo.com【総評】
今回、念頭に置いたのは「ほしくず堂のレイくん」として審査員に抜擢されたことでした。
私は全国を回る旅で様々なギャラリーや作品を拝見し、そして絵・文・立体作品を自家製作し、販売している作家でもあり、
同時に、企画・営業販売者でもあるという、様々な角度から見ることができるのが、審査員として求められる私の個性でしょう。
それ故に、一個人・作家として作品を受け止めつつ。 同時に「売れる作品(隙のない作品)」にするには、どうすればいいか。
純粋な趣味で創作される方には無粋な話でしょうが 「私なら聞きたかった部分」 をコメントするようにしています。
もちろん「私の作品は、わかる奴にだけ分かればいい!」というのも大事なことです、私もそういう部分があります。
なので、私のコメントは「こうすれば、一般的に完成度が高くなる正論。」として、受け止めて頂ければ幸いです。
自分の表現したい道を、思いっきって突っ走ってください。 それがアートです。
そして今回は、平均してレベルの高い作品が多かった印象です。
それだけに、細かいミスや、荒さ、手抜きや、仕立ての甘さが浮き彫りになっていました。 作品で食っていくには、それは致命傷になります。
【画力・技術】はあっても【配置や仕立て】などの、トータルバランスのクオリティで差がついてしまっています。
全体的に言えるのは「その違和感はワザとです」と言うのだったら、それに納得できる仕掛けや要素を盛り込む、技術や配置で誘導するなどその違和感に対し「感覚に訴えて」でも、対極としては「文字で示して」でも良いので、表現して欲しかったですし
そういったツボを押さえておくだけで、一線以上に活躍できる。 日本だろうが世界だろうが、どこでも通用するだろう作品ばかりだったことです。
私もまだまだ未熟ですが「意図が伝わらなければ、それはアラや手抜きにしか見られない。」ということです。
または 「"好き" "なんとなく" "感じた" をゴリ押せるほどのチカラ」 を持ちましょう。 これが最強です。
「明らかにこの人はベテラン。」という風格がある作品が多いからこそ、ツメはしっかりしましょう。
逆に、まだまだ伸び代のある作品ばかりでもありました 「10-自分の点数=伸びシロ」 と思ってください、私はそう思っています。
Gいのせんと 池田Luche Markov(いけだ)
Gいのせんと所属、作家、薬剤師
クトゥルフ神話小説「不吉の月シリーズ」著者
アートスープにてTRPG体験会主催者
Twitter @LucheVampire
【総評】
"まずは、新参者であるGいのせんとに審査権をいただきまして誠にありがとうございました。また、美術的な専門知識を持ち合わせない私のつたない審査を寛容にも受け入れていただいたアートスープ様には感謝の念が堪えません。
審査員として多くの作品を熟考、熟慮をさせていただいて、多くのことを学ぶことができました。
また、多くの作品の後ろに描かれているストーリー性や作者の内面といった部分もじっくり考えさせていただいたため、
多くのことを学ぶことができました。
次回も審査員として起用していただければ幸いですし、次回は私も作品をもってコンテストに参加したいという情熱を
掻き立てさせられました。
末筆になりましたが、コンテストに参加された諸兄のみならず、コンテストの運営をされたアートスープスタッフ皆様、本当にお疲れさまでした!これからも期待しています!!"
GlamorousGrammar 代表:関口
美少女漫画家「隅田かずあさ」を監修デザインに起用、
隅田氏の友人「仙田聡」「hassegawa」と共に2007年に立ち上げ。
「フェティッシュ&エロス」グラフィックを基本コンセプトとした
ブランド「GlamorousGrammar(グラマラスグラマー)」の代表。
Tシャツプリントデザインを中心に、他アパレルプリント、ポスター、グッズの販売を手がける。
2011年にロックバンド霞鳥幻樂団(かすとりげんがくだん)とのコラボレーションTシャツを製作、
その活動の幅を広げている。
ハードフェティッシュアートフェス「艶惨」の主催。
Twitter:@glgr2007
HP : http://gl-gr.comMINDCORE 代表:天田神話やダークファンタジーに出てくるエピソードやキャラクタをモチーフに、アクセサリーとして身につけた時の重厚感や存在感、シルバー独特の質感などを考えてデザイン。
メッセージ性のある作品、面白いものやお茶目なものなどのアクセサリーがライフスタイルの程よいアクセントになればいいなと考えています。
マインドコアカンパニーのアイテムは全てオリジナルです。 カスタムオーダーや、1点もののフルオーダーメイドの製作も承ります。
Twitter:@mildcola
HP : http://mind-core.jp/
画家・DTPデザイナー 晴智ありさアートスープではお馴染み2013年の開業当時から多数ご出展され、
フライヤーやDMなどのデザイン制作でも度々お世話になっている金魚の絵描きさん。
前橋商店街の七夕祭りなどで、和服姿でライブペイントをしている姿を見かけている方も多いのでは。
2017年より開催の大人気グループ展「うろこのすきま」の主催作家としても活躍。
近年では群馬県内にとどまらず都内にも活動の幅を広げ、積極的に出展経験を重ねられています。
今秋からは、フリーランスのデザイナー・アーティストとしての活動も開始。
絵画作品だけでなくハンドメイドアクセサリー制作や、アパレル作品とのコラボにも積極的。
Twitter @xATSURIx https://twitter.com/xATSURIx
HP http://arisaharuchi.wixsite.com/harukingyo【総評】
今回、「パッと見た時にしっかりと作品の意図やメッセージが伝わってくるか」「その後、心に余韻が残るか」に
注目して審査させて頂きました。どれも素晴らしい作品ばかりで頭を抱えましたが、
その2点が強く感じることのできた方は鷹山 水鳥さん、inouemasakiさんでした。
また、額は作品を引き立て、魅力的に見せてあげるモノ。
こだわりや余白の使いこなしが素晴らしいと感じたのは金田愛里さんです。
この3名は特に余韻が強かったです。また、遅刻や締め切りが過ぎての持込みは残念です。
「これはいいの?」など、展示に関して疑問があったら搬入前に問い合わせましょう!
そのまま突き進んで欲しい人、技術はあるのに十分に魅せられない人、これから芽吹きそうな人。
様々でした。自分にも言い聞かせながら、確認しながら審査することがきで、とても楽しかったです。
ありがとうございました。
ティーストアー狩野さんアートスープからもご近所、前橋の人気紅茶専門店。
ホッとできる暖かいピンク色の色合いの空間で、まったり紅茶とホットサンドをお楽しみ頂けます。
音楽ライブやハンドメイド作家さん等のミニマーケットなども多数開催される。
アートスープにお出かけの際はぜひ行きや帰りに美味しいお茶とホットサンドをお楽しみください。
H P: http://bsteastand.wixsite.com/hoatea
Twitter: https://twitter.com/hoateashop【総評】
今回は少しおとなしめな作品が多かった気がします。
コンテストらしい作品に、高評価をつけさせて頂きました。
ギタリストgohさん北海道釧路市出身、ギター講師でソロギタリスト。
2012年より群馬県に拠点を移す。
レッスン、ライブ、レコーディング、ラジオBGM作成、CMソング作成等で活動。
アートスープでもアルバムCD『Mystic Journey』も発売中。
2017年からは、アートスープ店内にて月一木曜日開催の定期ライブでもおなじみ。
※毎度この公募展の審査コメントが絶妙な鋭さに加え遊び心がかなりきいており、
ひそかにクセになる作家さんも多い。
blog : http://goh1090.hatenablog.com/
twitter : https://twitter.com/goh1090【総評】
ひかりあゆみさんが、圧倒的に良い。深い水の中にいるよう。
今回は、全体的に何が言いたいのかわからない作品が多かった。
技術不足感が強いように感じる。
アーツ前橋前橋商店街に存在感たっぷりに魅力を発揮する前橋市公立の美術館。
地元で活動する現代アーティスト等の企画展を開催する。
館内では作品展示の他、美術やアートに関する書籍コーナーや、
福祉施設の手作り作品やアーツ前橋の展覧会関連グッズを販売するミュージアムショップmina、
スペシャルティコーヒー自家焙煎のお店、おしゃれなカフェ・ロブソンコーヒーもあり。
現在はあの「太陽の塔」で文化的アイコンとなった
岡本太郎の展示会「今日の芸術」を好評開催中。
Twitter:@ArtsMaebashi
H P:http://artsmaebashi.jp【総評】
バラエティーに富んでいて面白かったです。小さい世界を生かした方の作品がやはりよく見えて、
そうではない作品はその外に広がっていて欲しいという気持ちで点をつけました。
(アーツ前橋 住友館長より)
No.10 金田愛里さん……自分の色が出ていた
No.18 ヒトコトヌシさん……自分の色が出ていた、セリフ無しの漫画等にするとおもしろいかも
スタッフ(詩画作家:智乃-chino-)
旧・三ツ寺店鋪時代より企画展に参加し始める。
前・商店街店鋪に移ってからはスタッフとして運営のサポートをしつつ、
企画展の出展に加え個展を二度開催。
現・駅前店舗に移る頃よりライブペイントにも手を出すようになる。
自由詩を元に、絵や写真などのイメージを掛け合わせた「詩画作品」を制作発表。
薄紫が好きなことに加え、やたら式場感のある装飾を加えた展示をすることが多く、
ついにはまさかの展示会まで来年発生するらしいとの噂。
細々としたことをサポートするお店番・お手伝いスタッフの一人。
近頃はレアキャラ度が増しているので会った人は良いことが……?
Twitter @hakobunenorou
HP http://chinoxxx000.wixsite.com/-shikisou-
note https://note.mu/0chino 【総評】
アートスープのスタッフとして色々お手伝いをするようになって、早いものでそろそろ4年が経とうとしています。
年に一度の公募展アートセンス(今年は「めぶく。コンテスト」になりましたね!)の審査も、4回目です。
今年も例年通り力作ぞろいで、毎年のことながら、審査には一苦労でした。
けれど、つくって出展する作家さんの皆様の方が、当たり前のことながらよほどご苦労されたことでしょうね。
ご出展に向けてのご準備、制作と、お忙しい日々の時間を縫ってご参加いただいたことに、まずは心からの感謝と敬意を表します。
近頃ではスタッフも私以外に増えたことで、ご出展の際のお礼状やご紹介などは色々なスタッフさんが担当するようになりましたが。普段は作家さんの作品には点数をつけず、率直に感じたことを言葉に変えてお伝えすることが多い毎日。
ですので、この場で言うのもあれですが、普段と違う「点数」をつけるということが、どうにも私個人としてはソワソワしてしまいます。
だってスタッフなんて言って審査しちゃってますけどね、お察しの通り、私だってまだまだ相当あれもこれも未熟なんですもの。
4回目の審査ですけどね、相も変わらずムズムズしながらさせて頂いております。
正直言って、それらしく「審査」なんて表しておきながら、私にとっては「お勉強の機会」なのです。
お勉強させて頂いてありがとうございます。本当に恐縮しております。
さて、私も学生時代、講評というのを何度か経験しましたが。
お褒めの言葉を頂くこともあれば、それはそれは耳に痛いような言葉も時には頂いちゃうことだってあるわけです。
私も漏れる事なく当然ながら、悔しい思いをしたものです。
でもね、それが案外、その後の「個性」やら「味」に繋がったりもするようです。
「こんなこと言われちゃった!悔しい!わーん!」と思ってもね、なにも別にその通りにしなくったって良いんですよ。
「わーん!つらい!でも自分このままで進んじゃうもんね~、だってこういうの好きなんだもん!」。
上等です。それでも良いのですよ。貴方の、お好きなようにね。
それが“作品”です、“表現”です。
私は、アートスープでお手伝いをしながら、皆さんと変わらないように作品をつくったり出展する中で、
ちょっぴり生意気な気がしないでもありませんが、そんなことを思うようになりました。
「アートってなに?」「アートってどうあるべき?」
よく聞く言葉ですね。私には、まだわからないです。私と同じ人も多いだろうと想像します。
わからないから、わからないながら、みんな何かしっぽのようなもの掴もうとして、もがいて何かします。
その過程で、不思議なことに何かしらの形となって、
あらわれてきているように私には見えるし、思えるのです。
なんだか面白いですよね。
極端なお話ね、誰かにとっては0点でも、他の誰かにとっては100点か、
そこまでいかないとしても高得点を頂けるような。
そんなところを目指すのも、なんだか挑戦的で面白くありませんか。
答えは、ひとつきりじゃなくて良いと私は思っています。
講評は、一つの意見として聴いて、受けとめてみてくださいね。
講評を汲み取って取り入れて、変化・進化させるも良し。
そのまんま構わず、己の気の赴くままに進んでみるのも良し。なのです。
その後がどうなるかは、私たち審査させて頂く側にも、もちろん貴方様にもわからないと思います。
私が変わらず願うことは、作品や創作が貴方の心を軽くするものであって欲しいということ、
他の誰に何を言われたとして、それでも負けずに
貴方が一番に貴方の作品を愛せる人味方であれること、そして
貴方の作品が少しでも一人でも多く、誰かの心に寄り添ったり、
突き刺さったりするものであって欲しいということです。
いかがでしょうか。今回つくった作品は、それに値する作品だったと胸を張って言えますか?
技術うんぬんじゃなくて、心が引っかかれて、なんだか気になって仕方ない。
そんなような感覚、身に覚えありませんか。
一生懸命上手につくるのと、一生懸命心を感情を込めるのとでは、
同じ一生懸命がくっついていても、仕上がりは違うように思います。
講評、緊張しますよね。作品をつくり続けるのも、好きな事とは言え、楽じゃないですよね。
ご出展しようというその勇気、とってもステキですよ。
これからもその勇気、大事にしていって下さいね。
貴方様の頑張っていることが、望む形で叶いますように。
私は未熟なまま、このままで、細々と密やかにやっていくのだろうと思っています。
お話する機会お会いする機会があれば、作品やつくる上での葛藤などについて、お話ししましょう。
また貴方様の作品を拝見できますこと、引き続きのご活躍を、楽しみにしておりますね。
アートスープ代表代行:中林智洋
2013年にアートスープを立ち上げた初代店長らに出資・開業を支援したが
その後2014年はじめに創業メンバー全員が脱退したため代表を代行する。
2018年5月に代表を退き、その後も“アートスープのご隠居さん”として運営をお手伝いしている。
本業は病院管理栄養士でNST専門療法士。
今年で六回目となりました「公募展ART SENSE」
最初の2013年当時からの大会コンセプトは
「誰でも、どんなジャンルの作品でも、あなたのアートで挑戦できるコンテスト」
「小さな限られた空間で全力を出すコンテスト」 というものでした。
大きな公募展は大作を描かなければ勝負にならない、
でもそれを描く手間や材料費、描くための広い空間が必要で書かれた作品の保管場所も確保しなければなりません。
また、大作は飾れる場所も限られますので買える人も限られます。
若い作家さんには大作を描くことは良い経験でもありますが大変な負担でもあります。
「もっと小さい作品でも勝負できる公募展があったらいいな」、と
そんな声に応える形で、50cm×50cmの範囲で全力を出し合う場を作りました。
今回からは前橋市のビジョンである「めぶく。」をコンテストのサブテーマに添えました。
これから「めぶく」貴方の創作活動を応援するアートコンテストであり、
作る人と見る人を繋ぐ場を「芽吹かせる」コンテストにしていきたいと思います。
今回アートスープからの賞は個展開催券の【アートスープ賞】と
企画展示一回or常設展三か月が無料になる【アートスープ奨励賞】です。
どちらも、今後是非アートスープで活躍して頂きたい作家さんにお贈りします。
審査基準は、場を管理・維持する経営者としての立場から
「この作家さんの作品はうちの客層に受けが良い」
「うちで開催するあの企画展示に是非この作家さんが欲しい」
等、アートスープとして関わってメリットが大きい人、という判断です。
残念ながら惜しくも受賞を逃した方全員に参加賞として【スープ賞】をお送りします。
次回の出展が500円お値引きされる出展料券です、是非また次のコンテストや
それ以外の企画展示等にも挑戦してみてください。
本年も沢山の力作での御出展、皆さま本当にありがとうございました!
今年参加を見送ってしまった方は、よろしければ是非次の機会にまた挑戦してみて下さい。
今回参加したけれど狙っていた賞を逃した方はどうすればより良い作品を仕上げられるか
いろいろ試行錯誤してまた是非来年挑んでみてください。
すべての出展作家様が、今後もより良い作家活動を送っていけますように、
アートスープはこれからも皆様の活躍を応援しております。
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- 2018/11/10(土) 16:58:48|
- 公募展・コンテスト 情報
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